東京高裁,コナミデジタルエンタテインメントにおいて育休取得後に降格させたのを違法と判断
JAPAN LAW EXPRESS: コナミデジタルエンタテインメントで育児休業明けの社員が育児のためとして降格されたのを不服として会社を提訴の続報です。
東京地裁を判決を取り上げるのを失念しておりまして,いきなり続報が控訴審の東京高裁判決になってしまいました。
東京地裁は,育休取得後の降格自体は人事権の範囲内として違法とは判断せず,成果報酬分をゼロに査定していた点を違法として,それの分の請求を認めるという一部認容をしていました。具体的には35万円の支払いを会社側に命じていました。
これに対して,控訴審の東京高裁は,降格そのものを違法とする判断をして,報道によると約95万円を認容した模様です。
東京地裁判決では,原告が育休前に担当していた業務(海外とのライセンスの担当)の内容に着目して,担当者の頻繁な交代が問題となっていたことなどを指摘する一方,降格して担当するようになった業務(国内ライセンス担当)での人材の不足なども併せて考慮して,必要性のある担務の変更であり,人事権の濫用ではないと判断していました。
原告の主張では,出産した女性に対して差別的な固定観念をうかがわせる言動があったとしているのですが,この点については人事権の濫用と認められないので前提を欠くとしています。
上記,従前の記事でも育児介護休業法との抵触の問題もあるという二段構えの検討がいるのではないかと示唆しましたが,東京地裁はこの点についても人事権の濫用ではないというところから簡単にすませてしまっています。
しかし,東京高裁判決では,全く逆転してしまい,降格そのものが違法とされた模様です。
まだ全文を確認できていないので,どこが決め手になっているのかわからないのですが,事実認定の問題ではなく,評価の問題で結論を異にしたのだとすると大変衝撃的なことといえます。
企業の人事労務に重要な裁判例となりそうです。判決全文を確認したら追記したいと思います。
裁判例情報
第一審判決
東京地裁平成23年3月17日判決 労働判例1027号27頁
控訴審判決
東京高裁平成23年12月27日判決
